思考の対局 · 第13局 · · 13分21秒
無理そうなことでも、最後までやるべきか?
階伯×真田幸村
無理そうなことでも、最後までやり抜く人は、そのとき何を守ろうとしているのでしょうか?「国が生き残るか滅びるか、分からない」と言った百済の将・階伯(ケベク)と、「一日先も分かりません」と書いた日本の将・真田信繁(幸村)に、その答えを探ります。
YouTubeで見る(13:21) · 日本語版
対立
階伯と真田幸村、二人
反転 → 本質
ところが二人は、死を近くに置きながらも、記録からは、ただ死にに行った人とは読めません。
最後までやり抜くことと、誰かを残そうとする心。二つは、互いに反対ではありませんでした。
読む
台本と原典
映像の台詞を日本語で掲載しています。 [記録] 文献で確認 · [要旨] 原文を縮めて訳出 · [後世の記録] 本人ではなく後世の人が残した記録 · [伝承] 当時の文書で確認されず後世に伝わる話 · [二次経由] 原文の面を直接見ず、引用・解説を通じて確認 · [記録なし] その人の文章や記録で確認されない言葉 · [解釈] 学者・進行役の解釈
台本全文
120行 · チャプター10個 · 行ごとに根拠
画面右下の小さな文字は、絵が変わるたびに図版の種類(実物の肖像画・実物の屏風絵・六文銭の紋・原文を新たに組版・新たに組版した文字・説明用の図・想像で描いた場面など)を示します。版本と原文の画面は、写された文字を古い紙の上に新たに組版したもので、手紙の文字の画面は新しく作った絵です。階伯の家族の場面は言葉だけで、人は描かず、何もない野原だけを映します。日付はすべて陰暦です。
0:00 · 無理そうなことでも、最後までやるべきか?
0:38 · 私たちの場面 — 無理そうなこと
1:20 · 階伯 — 要所を逃した国
2:50 · 狭い道の計算
3:40 · 四度 — 同じ戦い、三つの記録
4:09 · 忍びず — 敵の少年
5:23 · 真田 — 定めなき世
8:43 · 思考の対局 — もう一度、あの野原
9:21 · 反転と本質
10:16 · 私見 — 大丈夫(だいじょうふ)
原典と研究
- 記録『三国史記』階伯列伝(巻47、1145)「階伯,百濟人,仕為達率」「簡死士五千人」「以一國之人,當唐、羅之大兵,國之存亡,未可知也」· 生年と故郷は記録にない · 家族の場面「恐吾妻孥,沒為奴婢,與其生辱,不如死快。遂盡殺之」は列伝の一箇所にのみあり、出来事の485年後の記録 · 後世の評は分かれ、権近の批判とその反論は安鼎福『東史綱目』第4上(1778年完成)で確認
- 記録 · 同じ本の三か所で異なる「四度」:百済本紀「四合皆勝之」· 新羅本紀「四戰不利,士卒力竭」· 階伯列伝「如是進退,至四合,力屈以死」· 「5千対5万」は三か所を合わせた数 · 誓いの「句踐の5千対呉の70万」は階伯の言葉の中の数字で、実際の戦闘規模ではない
- 記録新羅本紀「階伯俾脱冑」「愛其少且勇,不忍加害」· 官昌列伝「少而為花郞」· 「階伯擒斬首」· 階伯が後悔したという記録はない
- 記録『孟子』公孫丑上「人皆有不忍人之心」「先王有不忍人之心,斯有不忍人之政矣」· 滕文公下2章(婚礼の比喩の部分は「……」で省略)· 三つの版本と字句を照合 · [解釈] 朱熹は「広居・正位・大道」を仁・礼・義と解した
- 記録 · 解釈F. W. Lanchester『Aircraft in Warfare: The Dawn of the Fourth Arm』(London: Constable, 1916)第5章 · 狭い谷にあてはめたのはこの映像の読み
- 記録 · 二次経由名前:本人が自ら書いた名は信繁で(1612年の出家後は法名「好白」と署名した手紙がある)、「幸村」は1672年『難波戦記』に初めて見えると知られる(丸島和洋 2016・平山優 2015)· 九度山時代の手紙(日付不明)· 大坂入城後の手紙(1615年):2月10日、石合十蔵宛の手紙は図録『秀吉と真田』(2007)p.40 図版収録 · 1615年3月、小山田茂誠・之知宛の手紙「定め無き浮世ニて候へば、一日さきハ不知事候」(国立国会図書館サーチの書誌は慶長20年3月 · 辞世の句ではなく手紙の一節)· かな原文は直接見ていない
- 記録 · 二次経由 · 編纂本所収島津忠恒の手紙(自ら戦わず、伝え聞いた話を記したもの)「…三度目に真田も討死にて候。真田日本一の兵、古よりの物語にもこれなき由」:『薩藩旧記雑録』所収分を引用文で照合 · 島津軍は冬・夏の陣とも不参加。「由」のとおり、その日出回った話
- 記録 · 二次経由『言緒卿記』5月7日「大坂落城す。天王寺にて、真田、たびたび武辺、其の後、討死なり」· 黒田屏風(『大坂夏の陣図屏風』)の右隻に赤い甲冑の真田勢が描かれる · 5月7日の大野治房の軍令状は「軽率に戦わず、敵を引きつけて一戦」の趣旨で、家康本陣を狙うとは書かれていない
- 伝承徳川方が領地を与えるから寝返れと説いたという話(領地の大きさは話ごとに異なる)· [後世の記録] 嫡男の入城と死は後世の軍記類にあり、当時の文書は未確認
- 解釈家を残すために分かれたという説明(通説)も、妻たちの縁戚関係で分かれたという説明も伝わっています。三人の密談そのものを記した当時の史料はありません。
- 解釈映像の終わりの「私見 — 大丈夫(だいじょうふ)」は進行役の意見です。『孟子』と結びつけて読んだのはこの映像の読みで、二人がそういう意味で言ったという記録はありません。
写真の出典
Wikimedia Commons · Public Domain(PD-Art)· 所蔵 上田市立博物館:「真田幸村像」(作者不詳、江戸時代)
Wikimedia Commons · Public Domain(PD-Art)· 所蔵 大阪城天守閣:『大坂夏の陣図屏風』右隻(黒田屏風、17世紀、作者不詳、重要文化財)· 改変:元のスキャンから一部を切り取り、古い紙の上に配置
六文銭:真田家の家紋の伝統的な図案を描き直したもの
そのほかの人物の絵と場面は、記録と装束の資料をもとに想像で描いた場面です。
誤りを見つけたら、映像のコメントでお知らせください。確認したうえで訂正します。 事実を確かめる方法
最後までやってみながら、皆が生き残る道を、ともに探すこと。二人の将が残した言葉を、私はそう読みます。
皆さんは、無理そうなことを前にして、勝つこと以外に、何を守りますか?
YouTubeのコメントで考えを分かち合う続けて
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